いつかやってみたいシゴトがあったなら、
「今までやってきたこと」をフルに活かして、
自分でその「打席」を作るのが近道ではないかと思っています。
毎年、年始の習慣として
「なりたい職業ベスト10」というものを書き出しています。
全く制約を設けずアコガレ込みで書き出すもので、
上位には「ワールドツアーに出るロックバンドの一員」とか平気で入ってます。
で、同じく「写真家」というのも常にランクインするもの。
中2で初めて一眼レフで撮り(たしか学園祭)、
現像したプリントの中で、
いつもの学校風景が違って見えた時以来、
写真をシゴトにしている人たちには、
並々ならぬアコガレを抱いてきました。
とはいえ、特にその道を目指すこともなく、
編集者として社会人生活をスタートさせてからは、
シゴトの中で、プロフェッショナルの技を側で見つつ
(実際たくさん技術を教えてもらいながらですが)
あくまで写真はライフワーク、としてやっていました。
実はデザインもそう。
同じように中学生から続けていたバンドのライブで、
フライヤーを自作していたこともあり、
ずーっと独学でDTPを学び、使い続けてきたことが、
本気度を膨らませてきたわけです。
その後、職種が
「マーケティング」「プロモーションの企画・制作」
に変わってからも、シゴトとライフワークの間には
なんだかんだ線引きがあったように思います。
話が変わってきたのは、
「個人のシゴト」として「宣伝を手伝ってよ」と頼まれたのがきっかけ。
企画者として、マーケティングプランを立てて、ツールを企画し、
普段なら予算を使って外部のスタッフさんに依頼して完成するところを、
制作のフェーズでも企画に従い、自分でデザインし、自分で撮る。
求められていたのは「企画」で、
それを具現化するための「制作」も
シゴトとして請け負うことができた、ということ。
作るところや撮るところは、それまでシゴトを通して散々、
依頼して、プロについてたくさん教わったおかげで、
「どうすれば企画意図に沿うか」が体感的につかめていたのも良かった。
「作品」は作れなくても「必要な素材」を
企画に沿ってアウトプットすることはできる。
写真作品ではなく、「プロモーションにおいて必要な写真」については、
プロの視点で制作できることに気づいたわけです。
しかも相手にとっては、
スピード、コスト、コミュニケーションの面でメリットがある。
自分自身としては、
キャリアを積んだマーケティングのスキルを入り口に、
ずっとやりたいと思って練習していたデザインと写真を、
シゴトとして受けることができたということです。
たぶん、写真やデザインを入り口にしていたら、
巡ってこなかったチャンスですから、これは
「実績をもとに、やりたい方向性へ分母が増やせた」
ということかな、ととらえています。
やりたいことがあったなら、
自分のもてるスキルを武器に、
ぜんぶあわせてとりにいくのが良いかと思う。
同じように、編集者としてのスキル、
(たぶん)インストラクターとしてのコミュニケーション力を生かし、
写真も撮れる新聞記者として活躍している友もいます。
望むキャリアと違うスキルを身につけていることは、
実は狙う職種においては優位性になり得るかもしれない。
そう思うと打席を自分で作るチャンスというのは、
現状を応用する発想により巡ってくるものかも、と思い始めました。
そして「打席」は、言わずもがな実績と経験を与えてくれる。
その先に望む進路が待っているかもしれない。
なにかを新たに目指す時、ルーキーとして出直すか、
持てる強みを活かして他業種からの新規参入となるかは、
自分の持っていき方によるのかもしれません。
これもまた、個人のマーケティングだなあと思います。